用途が決まっていればとても便利な勝手口。
逆に、用途が決まっていない場合は…無用の長物となります。
基本的に、窓(外部の開口部)は少ない方が防犯性・断熱性が高まりますし、何より勝手口ドアはそんなに安いものではありません。全く使わない可能性があるものにお金は掛けたくありませんよね。
”キッチンの脇に勝手口がある”という当たり前なことも、一度立ち止まって本当に必要かを考えてみましょう。
勝手口の用途は?
勝手口の使い方をいくつか挙げていきます。
一つでも当てはまったら採用する価値がありますが、注意点もよく確認してみてくださいね。
1.玄関以外から外へ出る動線が必要
何かしらの理由で、玄関以外から家の中に入りたい時がある(家から出たい時がある)場合は勝手口が役立ちます。
靴(サンダルなどでしょうか)の置き場をしっかりと確保しましょう。室内に三和土(たたき)があれば便利ですね。
あとは、玄関ドアの鍵と勝手口の鍵を常に持ち歩くことになるかもしれません。重いし、結構面倒かも。
2.生ゴミなどを一時的に外に出しておく
バックヤード的な使い方ですね。
周囲ににおいが漏れる可能性がありますし、野生動物に漁られる可能性もあります。
事前に対策を考えておきましょう。
3.ゴミ出しは勝手口から
ゴミ出し程度なら、玄関からではなく勝手口からちゃちゃっと出しに行きたいと考える方がいると思います。
ゴミ捨て場までの動線を確認しましょう。家の中を通って、素直に玄関から出た方が早い可能性もありますよ。
また、庇などの雨除けがないと天気の悪い日は結構大変かもしれません。
4.庭とつながる動線として
庭への動線として勝手口を設けることがありますね。キッチンで料理したものを庭に持っていって、おうちでピクニック気分を味わう…サイコーですね。ちなみに、イギリスでは「バックガーデン」という概念があり、裏庭をプライベートな憩いの場として利用することが一般的なようです。
庭に料理などを運ぶのに適した幅が確保されているか、勝手口の幅を確認しておきましょう。
5.物干し場として
テラス屋根などを設けて、雨の日はそこを洗濯物干し場として使用する計画も一般的ですね。
洗濯機との距離が遠いと洗濯物の持ち運びが大変ですので、動線計画に留意しましょう。また、本当にそこで干すかどうか事前にシミュレーションしてみましょう。
最近は乾燥機能付き洗濯機やガス乾燥機(我らのアイドル「乾太くん」)などが一般的になりつつありますし、部屋干しという選択肢もあります。ユニットバスに乾燥機能付き換気扇が付いていれば少量の洗濯物なら干せますしね。
勝手口はあったほうが良いの?
極論を言ってしまえば「生活スタイルと立地による」というほかありませんが、すべての人に必ず必要なものではないということを覚えておいてほしいです。
使い勝手や動線計画などを何も考慮せずに、とりあえず「キッチンの脇から外に出られるから勝手口付けておこう」と考える“思考が停止した設計者”に、あなたが巡り合わないことを祈っています。