テクノロジーの進化は私たちの生活のあり方を大きく変えつつあります。
住宅業界にもその波は届いており、近年、バーチャルの住宅展示場が注目を集めています。今回は、バーチャル展示場の概要やメリット・デメリット、そして効果的な活用方法についてご紹介したいと思います。
バーチャル展示場とは
バーチャルの住宅展示場は、従来の実際の建物や住宅展示場に代わり、インターネットを通じて仮想空間で家を見学することができるサービスです。リアルな建物や部屋を仮想空間上に再現し、ユーザーはスマホやタブレットから手軽にその場所を訪れることができます。
実在するモデルハウスを360°カメラなどでバーチャル化するパターンもあれば、実在しないモデルハウスを3Dソフトで製作するパターンもあります。
VRゴーグルを着用してバーチャル空間上を歩いて回れるものもあったりしますよ。
バーチャル展示場のメリット
- とにかく手軽!車や交通手段を利用せずに、自宅から気軽に展示場巡りができる
- 従来の展示場巡りに比べ、移動時間や待ち時間がなく、効率的に多くの物件を見ることができる
- 24時間いつでもアクセスできるため、忙しいスケジュールに合わせて家探しを進めることができる
- うっとうしい営業マンの営業トークに付き合わなくて良い
- 複数の住宅会社への問い合わせや資料請求がスムーズ
バーチャル展示場のデメリット
- 質感や素材感が肌で感じられないため、実際のモデルハウスと比べて臨場感が薄い
- 実際のモデルハウスよりも詳細な情報が不足しがち
- 重要な比較対象である断熱性や耐震性などの性能面の比較が難しい
- その会社の強みや個性、こだわりが表現されにくい
- インターネット接続やデバイスの性能によって、バーチャル体験の品質が左右されることがある
バーチャル展示場の注意点
特に注意したいのが、実在しないモデルハウスを3Dソフト等で製作している場合です。
住宅会社目線で言うと、通常のモデルハウス作りで重要視する「動線計画」「設備グレード」「IoTなどの最新技術」「無垢板などの素材感」「温熱環境や光熱費へのこだわり」などはバーチャル展示場ではアピールポイントになりづらいため、普段と違う展示場づくりをします。
簡単に言うと、“見栄えに全振り”したモデルハウスを作ろうとするんですね。実際に建てるわけではないので、画面の中だけで“映えて”くれれば良いわけですよ。「住みやすさは二の次」というモデルハウスが出来上がります。
「バーチャル展示場はそういうものだ」という認識を持って見学してくださいね。
また、その道のプロが製作(外注して作ってもらうんです)するため、どの会社の展示場も“その会社の力量”に関わらず、とってもオシャレに仕上がります。「このバーチャル展示場のインテリアテイストにホレた!」という理由で住宅会社を選ぶべきではない、ということです。
見学したバーチャル展示場があまりオシャレじゃなかった場合、その会社はバーチャル展示場の特長を理解していない“頭の良くない”会社ということですねー
バーチャル展示場の活用方法
先に記載したメリット・デメリットと注意点を参考にして、バーチャル展示場をうまく活用してみましょう。
事前に気になる住宅会社の情報をリサーチし、興味のある会社を絞り込んでからバーチャル展示場を訪れると効率的ですよ。また、興味を持ったモデルハウスが実在する場合は、実際に見学してみましょう。バーチャルだけでは分からない部分のほうが多いということを念頭に置いて活用することをおすすめします。
バーチャル住宅展示場は、新しい家探しの手段として利便性や柔軟性を提供してくれますが、デメリットや注意点も数多くあるのが実情です。
バーチャル特有の“住宅会社の思惑”を理解して、あなたにとって効率的な家探しツールとして活用してみてくださいね。