住まいの快適さやデザイン性に大きな影響を与える窓。
今回は、窓の枠とガラスの種類について詳しくご紹介します。選び方次第で、断熱性や防犯性が大きく変わるため、しっかりと理解して最適な窓を選びましょう。
なお、はじめにお知らせしておきますが、現在は住宅会社の多くが「樹脂サッシ(又はハイブリットサッシ)」の「ガス入りLow-Eペアガラス」を標準設定しているでしょう。住宅会社としては、価格や数値的な意味での断熱性能を考えるとこの組み合わせが一番オイシイ仕様なんですよね。
この仕様同等か、それ以上の仕様ならとりあえず問題はないでしょう。
この仕様以下の場合は「平均以下のスペック」と考えても差し支えありません。家の性能は窓だけで決まることではありませんが、断熱性能に限って言えば窓は「最重要項目」です。
ランニングコストを含めた費用対効果を考えて、サッシの性能を選んでください。
枠の素材
サッシ枠の種類は様々ありますが、現在の新築住宅の窓は、性能と価格のバランスが良い「樹脂サッシ」か「アルミ樹脂複合サッシ」を採用している会社が多いでしょう。
アルミサッシ
20年くらい前までの日本の家はだいたいアルミサッシを採用していましたが、現在では新築でアルミサッシを使っている住宅会社は減少傾向でしょう。
アルミは熱を通しやすいため断熱性が低く、結露も発生しやすいというデメリットがあり、時代に則していないサッシへ成り下がりました。
樹脂サッシ
ここ十数年でシェアを伸ばしているのが樹脂窓です。
樹脂はアルミ等の金属に比べ熱を通しにくい(その差なんと1000倍!)ので断熱性に優れます。
ただ「樹脂だから耐久性が心配…」という意見が根強くあるのも事実。とはいえ最近の製品は耐久性や色あせなども改善されているようですよ。(あくまで試験値ですけどね)
アルミ樹脂複合サッシ
アルミと樹脂の良いトコ取りをしたハイブリットな窓です。
外部はアルミ、内部は樹脂と使い分けており「アルミの耐久性」と「樹脂の断熱性」の両方を享受できるという優れモノ。日本人ってハイブリット好きだよねー。
木製サッシ
北欧の温もりが感じられる木製サッシ。
断熱性も抜群ですし、なによりカワイイ!ただ価格は高めで、さらにメンテナンスが必須ですからコスト面では一番カワイくないサッシです。
ガラスの種類
枚数の違い
シングルガラス(単層ガラス)
文字通り、ガラス一枚の製品です。
こちらもアルミサッシと同じく絶滅危惧種ですね。こんな時代にシングルガラスを採用する住宅会社は「悪人」と言っても差し支えありません。
とにかく断熱性能が低く結露も発生しやすいため、個人的に住宅には使用禁止にすれば良いと思っています。
ペアガラス(複層ガラス)
ガラスを二枚使用し、ガラスとガラスの間に乾燥空気やガスを注入してある製品です。
現在の新築住宅のスタンダードです。
トリプルガラス
ペアガラスよりも断熱性能が高いトリプルガラス。
ガラスが二枚ではなく三枚使われているもので、今後はこのトリプルガラスが普及していくと思われます。性能は抜群ですが、とっっっても重い!大きな掃出し窓なんかはひとりでは持てません。大工の高齢化と相まって現場はヒーヒー言っています。
サッシメーカーの皆さん、軽量化のための技術革新をお願いいたします!
ガラス表面加工
出典:LIXIL
透明ガラス
文字通り、透明なガラスです。外の景色が見えます。
型板ガラス
「すりガラス」や「曇りガラス」とも言います。外から室内が見えないよう加工されたガラスです。
中空層の違い
ペアガラス(やトリプルガラス)は、ガラスとガラスの間に何が入っているかで断熱性能が変わります。
乾燥空気
文字通り「空気」が中空層に入っています。
ただの空気、されど空気です。空気って、実は断熱性能が高いんですよー。
ガス
「アルゴンガス」や「クリプトンガス」といったガスが中空層に入っています。
これらのガスは空気よりも熱を通しにくい性質を持っているため、より断熱性に優れるという訳です。もちろん乾燥空気よりは価格は高めですが、ビックリするほど高いわけではありませんので、昨今はガス入りガラスが主流となりつつあります。
その他の仕様
Low-Eガラス
出典:LIXIL
ペアガラスの内側に熱を伝えにくいフィルム(薄~い金属フィルム)を貼ったものがLow-Eガラスです。若干ですが色付きガラスっぽくなります。
昨今の新築住宅には採用されていて当たり前といっても良いでしょう。日射を遮ってくれたり、空調の効きを良くしてくれたりします。
ただし、Low-Eガラスの遮熱効果のせいで「窓辺のぽかぽか日向ぼっこ」は出来なくなるので、必ずおネコ様に許可を得るようにしましょう。
防犯ガラス
出典:LIXIL
防犯ガラスは、ガラス破りなどの侵入に対して防犯性能が期待できるガラスのことです。
破れにくい特殊なフィルムをガラスが挟み込むよう構成されており、ガラス本体の強度を高めています。
窓の枠やガラスの選び方は、住まいの快適さや機能性に直結します。今回ご紹介した情報を参考に、あなたの家に最適な窓を見つけてください。