吹抜けって、実はダレる?開放感のウソ・ホント

まめ知識

開放的で心地よい吹抜け空間は、多くの人にとって魅力的ですよね。

吹抜けは、空間に広がりと明るさをもたらし、部屋全体に豊かな雰囲気を与えることができます。その結果、部屋がより上質で魅力的に感じられることでしょう。

ただし、何のために吹抜けを設けるかしっかりと検討が必要です。

語弊を恐れずに言うと、吹抜けって「ムダな空間」なのですよ。個人的には「オシャレはガマン」に似ていると思っています。

ただ単に「開放感に憧れがある」とか「シーリングファンってカッコいいよね」とかの理由なら止めておくべきです。

吹抜けの特性を知ろう

温熱環境への影響

一番の悪影響は、温熱環境に大きな影響を与えることです。

例えば16帖のLDKに8帖の吹抜けが設けられている場合、その部屋のエアコンは16帖用では(あたりまえですが)利きが悪いです。

大きなエアコンを設置しても、冬はせっかく暖かくした空気が”人が居ない”吹抜け部に溜まることになります(暖かい空気は軽いですからね)ので、やっぱりムダですよね。

「家の断熱性能を高めればそんなことは無い」という反論が来そうですが、それはそうなんですが、居住空間ではない「ムダな空間」であることに変わりはないです。

構造耐力への影響

構造耐力的にも弱点になりやすい部分です。

きちんと構造計算(許容応力度計算など)を行えば問題になることは少ないでしょうが、吹抜けがあることで大きな断面の構造材を使用する必要が出ればコストアップに繋がります。

吹抜けは採用しないほうが良いのか?

なぜ私がこんなにも吹抜けに否定的なのか。

それは、「開放感」という言葉が一点の曇りもない”正義”だと思い込んでいる(思い込まされている)人が多いと感じるからです。

「家」というハコに、開放感って本当に必要でしょうか?今一度立ち止まって考えてみてほしいのです。本当に必要な機能は何か、優先順位を付けてほしいのです。開放されたきゃ公園にでも行けばいいんですよ笑。

とまあ、ネガティブキャンペーンに精を出しましたが、全否定はしないですよ。

「光が入りにくいから吹抜けを設けて採光を確保する」とか「高低差で空気の流れを生み出し、熱い空気を吹抜けの窓から逃がす」とか、明確な理由があるなら大賛成です。

設計者がどんな意図で吹き抜けを採用したのか、それは魅力ある提案なのか、ということをしっかりと確認することが、アザト可愛く家を建てるコツなのです。

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