その「来場プレゼント」、法律的にアウトかも?|プレゼントの裏で信用を失う住宅会社たち

まめ知識

― 本当に信頼できる住宅会社を見極める“目”を、あなたに ―


住宅展示場のチラシやSNS広告で、こんな文言を見かけたことはありませんか?

住宅会社

「LINE登録&来場予約でQUOカード10,000円分プレゼント!」
「ご来場の皆さま全員にAmazonギフト券5,000円分進呈!」

一見お得で魅力的に見えますが、「これって本当に大丈夫?」と疑問に思ったことはありませんか?

実はこれ、景品表示法という法律に違反している可能性が高かったりします。

もちろん、法令をしっかり理解した上で適正な形に整えている企業もありますが、知識が不足したまま違反している会社が実在しちゃっているのも事実です。

今回は、そんな残念な会社(確信犯かも?)を見極める方法をお伝えします!

景品表示法って?

景品表示法とは、企業が過度な景品や誇大な表示で消費者を誤認させることを防ぐ法律です。

この法律では、「プレゼント(景品)」として渡せる金額に上限が設けられています。たとえば

  • サービスが無料(来場、アンケート、LINE登録など)の場合 → 景品は200円まで
  • 有料サービス(1,000円以上)の場合 → 景品は500円まで

つまり、「無料で来場+LINE登録 → もれなく10,000円分のQUOカード」は、ほぼ確実に景品表示法違反となります。

よくある勘違い「高額商品だからOKでしょ?」

「住宅は何千万円もする高額商品だから、数千円程度のプレゼントくらい許されるのでは?」と思うかもしれませんが、これは大きな誤解です。

景品表示法での景品の上限は、「その時点での取引の価額」によって判断されます。

契約前で購入がまだ決まっていないタイミングでは、取引の価額は0円です。なお、契約前でも見積もり自体が有料の場合は、見積もり費用が取引の価額となります。

どうすれば合法なの?

こんなキャンペーンは合法ですよ。

  • 抽選形式(例:「先着50組の中から抽選で3名にAmazonギフト券」)
  • 成約特典(例:「契約でオプション30万円分プレゼント」)
  • 低額ノベルティ(例:「QUOカード200円分 or スタバドリンクチケット」)

キャンペーンを見かけたら、「これはどのタイミングで、どういう取引に対して渡されるものか?」をぜひチェックしてみてください。

合法or違法の線引き

内容違法性コメント
来場でもれなく10,000円分QUOカード進呈❌ 違反の可能性大上限200円まで
見積もり依頼で全員に電子マネー進呈❌ 違反の可能性大無料サービスに対しての景品は規制対象
来場で抽選 → 1名に3万円✅ OK懸賞形式なので合法(※条件あり)
契約成立後の特典(QUOカード、家具、設備など)✅ OK規制対象外

なぜ建築とは無関係な法令違反に警鐘を鳴らすのか

たかがプレゼント? いえいえ、されどプレゼントです。

景品表示法という“最低限のルール”すら守れない会社が、建築基準法や耐震基準などの“本業のルール”を守れると思いますか?

ルールを守る姿勢や企業倫理が問われるのは、こういう場面なのです。

家づくりは、図面や見積もりだけではわからない「信頼関係」がとても大切ですよね。パートナー選びは、コンプライアンス意識の高さを見る「目」を持つことがとても大切だと私は思います。

「景品の豪華さ」ではなく「会社の誠実さ」で選ぼう

本当に信頼できる住宅会社は、法律を守り、顧客に誠実であろうとします。

目立たないけどちゃんとルールを守っている会社、説明が丁寧で分かりやすい会社、キャンペーンもきちんと法令に則っている会社──そうした企業こそが、あなたの大切な住まいを託すにふさわしい相手ですよ。

人生最大の買い物は、“おトクそうに見える会社”ではなく、“ルールを守れる会社”に任せましょう。法令を守れない会社に、大切な家族の命を預けるリスクは、決して小さくありません。

あざとく、賢く、住宅会社を選びましょう。私が推奨する「アザト可愛い家づくり」は、まず“信頼できる会社選び”から始まります。

筆者:ともぴ(一級建築士/インテリアコーディネーター)
「家づくりは、賢く・楽しく・ちょっとあざとく」をモットーに、失敗しない家づくりのヒントをブログで発信中。