様々な用途に使用できるバルコニー。
しかし最近、少しずつですがバルコニーの無い家が増えてきました。なぜでしょうか?
バルコニーの使い道は?
バルコニーは以下の用途で使われることが多いでしょう。
・洗濯物を干す
・ふとんを干す
・家庭菜園スペースとしての活用
・椅子やテーブルを置いてまったり時間
・エアコンの室外機置き場
こう見ると、生活に欠かせないものではありますが、他のもので代用できそうなものばかりではないでしょうか?
バルコニーは他のもので代用できる?
ひとつひとつ確認してみましょう。
洗濯物干し
洗濯物干しは、乾燥機能付き洗濯機やガス乾燥機(我らのアイドル「乾太くん」)で代用できますし、部屋干しも一般的になってきました。
ふとん干し
ふとん干しは、バルコニーでなくても窓から干してもいいし、庭があれば庭でもいいし、ふとん乾燥機も一般的になってきました。
家庭菜園などの空間として
家庭菜園やリラックス時間を過ごす空間も、別にバルコニーじゃないといけない訳ではありません。使用頻度を考えても重要度は低そうです。
エアコン室外機置き場
エアコン室外機は地上まで降ろしてもいいでしょうし、壁から持ち出しのラックなんかもあります。
バルコニーの特性を知ろう
バルコニーは防水上の弱点になりやすい部分です。
一般的なバルコニーの床面は、FRP防水という防水措置が取られていることが多いです。(シート防水やアルミバルコニーもありますが、今回は一番採用率が高いであろうFRP防水について解説します)
このFRP防水ですが、約5年毎のメンテナンスが必要です。外部の過酷な環境に毎日さらされ続けるバルコニーですから、当たり前といえば当たり前ですよね。
業者さんに頼んで防水層の劣化具合を確認し、必要ならトップコートの上塗りや防水層の再施工をします。費用は十数万円程度でしょうか。
また、定期的な排水溝の掃除も必要ですね。洗濯物やふとんを干す場所ですので、バルコニーは意外と糸くずやホコリが溜まりやすい場所です。しかも外部空間ですので、落ち葉や虫の死骸なども溜まる可能性があるでしょう。それらが溜まるということは、排水口が詰まる可能性があるということ。掃除を怠ると最悪の場合、雨水の逃げ場がないためバルコニーがプールになり、窓サッシなどの隙間から雨水が駆体の中に侵入して雨漏れが発生する、なんてことも考えられます。怖いですねー。
しっかりと定期的な点検・メンテナンスを行えば問題になることはありませんが、みなさん、ちゃんとメンテナンスする自信はありますか?
意匠性を高めるためにバルコニーの床に人工芝やブロックタイルを敷き詰めることがありますが、これも一長一短です。直射日光が当たらなくなるため劣化スピードは遅くなる可能性はありますが、隠されているため劣化具合が確かめにくくなります。
バルコニーは悪なのか?
冒頭で触れましたが、バルコニーの無い家が増えてきています。
住宅会社の思惑が見え隠れしますね。住宅会社はバルコニーを作りたくないんですよ。雨漏れの原因、つまり、クレームの原因を作りたくないんですね。バルコニーで痛い目を見ている住宅会社が多いのだと推察できます。
では、バルコニーは悪なのか?そうではありません。
しっかりと定期的なメンテナンスを行うことを前提とすれば、バルコニーはこの上なく便利な空間です。しかし、使用用途が代用品などで賄えるようになってきたことも事実だということを理解しておきましょう。
一昔前までは当たり前に計画されていたバルコニーですが、何の用途で使うのか、その必要性をよく考えてみましょう。
例えば「年に一度だけど、ちょうどバルコニーから花火が見える」など、特殊な使い方でも全然アリだと思います。理由もなく、何も考えないでとりあえずバルコニーを設けるという“思考停止”が問題なのです。
実際の使い方をシミュレーションすることで、本当に必要かどうかが見えてくるはずですよ。