【解説】住宅建築に使われる英語・略語の意味

きそ知識

住宅の図面には、様々な英語や略語が使われています。

有名どころでいえば「LDK(リビングダイニングキッチン)」や「UB(ユニットバス)」などがあります。これらは一般社会でも市民権を得つつあるものなので意味が通じると思いますが、略語の中にはなんて読むのか分からないものが多数存在します。

今回は、そんなマニアックな英語記号や略語を解説したいと思います。

これを読めばあなたも業界人になった”つもり”になれますよ。

住宅建築に使われる英語・略語

GL

グラウンドレベルの略で、「ジーエル」と読みます。

建物が建つ場所の“地盤面の高さ”を示しています。

ちなみにGLには他にも「現況GL」「平均GL」といったものがあります。

現況GLは、文字通り建築を始める前の現況の地盤面の高さです。

平均GLは、法規上の高さの制限を検討するために基準とする高さのことです。

BM

「ベンチマーク」と読みます。

BMは基準や指標という意味で、マーケティングなどにも使われる用語です。

住宅建築の場合には、高低差や建物の高さを測る”基準点”を指します。

例えば「設計GL=BM+200」という表記の場合、設計GLは基準点から200mm(20cm)高くするという意味になります。

CH

シーリングハイの略で、「シーエイチ」と読む人が多いです。

室内の天井高を表します。例えばCH2400と記載がある場合、その部屋の天井高は2.4mという意味です。

FL

フロアレベルの略で「エフエル」と読みます。

各階の床の基準線を表します。

例えば、スイッチの高さがFL+1200と記載がある場合、床から1.2mのところにスイッチを付けますという意味になります。

FH

「階高」を表す記号です。

例えばFH3000の場合、その階から次の階までの距離は3mという意味になります。

PS

「パイプスペース」や「パイプシャフト」と読みます。

上下水道の配管などの通り道を表します。

t

Thicknessの頭文字で、厚さを表します。

合板やカウンターなど、板の厚さを表す際に用いられます。

例えばt30の場合、厚さが3cmという意味です。

D、W、H

DはDepthの頭文字で「奥行き」の意味です。

WはWidthの頭文字で「幅」の意味です。

HはHeightの頭文字で「高さ」の意味です。

箱モノの家具などのサイズを表す際に用いられます。

L

Lengthの頭文字で「長さ」の意味です。

建材の長さをL=○○と表したりします。

R(r)

Radiusの頭文字で「半径」の意味です。

カウンターの角の丸みをR○○と表したりします。

間隔を表します。「ピッチ」と読むことが多いです。

例えば、根太@303という表記の場合、その根太の間隔は30.3cmだということです。

垂木や間柱、基礎の鉄筋など、等間隔に入る材料の表記に用いられます。

GM、WM、WH

配置図などに載っている略語です。

GMはガスメーターのことです。

WMは水道メーター(ウォーターメーター)のことです。

WHは電気メーター(ワットアワーメーター)のことです。

水道メーターと電気メーターは分かりにくいですね。

AC

エアコン(エアーコンディショナー)の意味で使われます。

(図面の種類によっては、アコーディオンカーテンの表記もACを使います。)

DL

ダウンライト(埋込み照明)の略で、そのままダウンライトと読みます。

埋込み照明の場合、そこに下地(木材など)があると穴開けができなくなってしまうため、大工さんなどと情報を共有するために図面に表記します。

GW

グラスウール(断熱材の種類)の意味です。

ゴールデンウィークではありません。

矩計図や見積書、仕様書などに表記されることがあります。

PB

石膏ボード(パーティクルボード)の意味です。

プライベートブランドではありません。

矩計図や見積書、仕様書などに表記されることがあります。

KT、CP

KTはキッチンで、CPはカップボード(食器棚)の略です。

KTがキッチンというのは何となく分かる方が多いと思いますが、CPは聞き馴染みがないですよね。

図面を分かりやすく簡潔に書くためには、このような略語や記号がとても役立ちます。

客側も最低限の知識を持っていれば、住宅会社とのコミュニケーションも円滑になりますし、何より図面を見るのが楽しくなりますよ。