思い切って値の張る大きな家具を買うとき…家族が増えたので大型家電を買い替えるとき…などなど。一人じゃ持てないくらい大きな家具や家電を買う機会は、人生で何度か訪れます。
そんな時に、最初に考えるべきことは何でしょうか? …カラー?デザイン?機能性?
…違います。一番大事なのは「搬入経路」です!
せっかく買ったお気に入りの家具や家電が、”そもそも部屋に入れられない”のは悲しすぎますよね。
今回は、大型荷物を部屋に搬入する際に注意するべきポイントと、ドアなど出入口の一般的な有効開口寸法をご紹介します。
大型荷物を部屋に搬入する際に注意するべきポイント
部屋の内法寸法を知ろう
大型の家具や家電の購入を検討する前に、部屋の大きさ(実際の寸法)を確認しておきましょう。そもそも部屋に入らないものを買ってしまうことは避けなければいけません。
家の平面図などに載っている寸法は、壁の芯(中心線)から芯の寸法である場合がほとんどです。そこから壁厚を引いた長さが実際の部屋の寸法になります。それを「内法の長さ」とか「有効幅」などと言います。
よくある部屋の内法の長さを記載しますのでご確認ください。
玄関ドアの有効幅を知ろう
大型荷物を搬入する際の”第一関門”は玄関ドアです。
とりあえず家の中に入れないと始まりませんからね。
玄関ドアやサッシの大手メーカーである「LIXIL」と「YKKap」の商品を抜粋しましたのでご確認ください。玄関ドアからの搬入ができない場合は、掃出し窓などから搬入しましょう。
※2023年10月現在のメーカーカタログからの抜粋です。
※サイズを特注している場合は記載の寸法にはなりませんのでご注意ください。
廊下の有効幅を知ろう
“第二関門”は廊下です。
一般的な家の廊下の幅は、壁の芯々で910mmがほとんどだと思います。この壁芯寸法から壁厚分を引いた寸法が有効寸法です。
なお、木造在来工法の家と、ツーバイフォー工法の家では若干寸法が違いますのでご注意ください。
また、幅木や廻縁、建具枠の出っ張りなどの厚みは加味していませんので、場所によっては表記の寸法より狭くなる部分があります。
搬入する荷物がとても長い場合は「廊下の曲がり角」と「階段(特に廻り階段)」に要注意です。バスやトラックが狭い道を曲れないのと一緒で、長い荷物も曲がり角が苦手です。その場合、斜めに倒しながらの搬入となるので、余分に空間が必要だったり、介助者が複数人必要だったりしますので注意してくださいね。
室内ドアの有効幅を知ろう
“最終関門”は部屋の入口です。
部屋の入り口ドアの幅は、廊下幅より狭いことがほとんどだと思います。ですから、室内ドアの幅が通る荷物なら家中どこでも運べる可能性が高いです。(つまり、ぶっちゃけコレだけ確認すればOKです。)
住宅建材の大手メーカーである「LIXIL」と「Panasonic」の商品を抜粋しましたのでご確認ください。
なお、表記寸法は扉がついた状態での有効寸法です。扉を外せばもう少し広くなります。また、「フラット丁番」や「アウトセット引戸」など特殊な納まりの場合は寸法が異なりますのでご注意ください。
※2023年10月現在のメーカーカタログからの抜粋です。
※サイズを特注している場合は記載の寸法にはなりませんのでご注意ください。
今回は、大型荷物の搬入経路と、それにまつわるドアなどの有効開口寸法を解説しました。大型家具や大型家電の購入は一大イベントですから、失敗しないためにも搬入経路をしっかりと確認してくださいね。