大きなソファに、ドドンとした冷蔵庫。
思い切ってお迎えしたくなるアイテムたちって、なぜか“でかい”んですよね。
新しく家族が増えたタイミングや、ちょっといいモノを買いたくなった日。
そんな日に限って、忘れがちなのが……そう、「搬入経路」です!
「この色かわいい!」「収納力バツグン!」「セールだし今でしょ!」
ってテンション上がるのは分かります。分かるんですけど――
まずチェックしてほしいのは、家にちゃんと入るかどうか!
お気に入りの家具や家電が「入らなかった…」なんて悲劇を防ぐために、今回は
プロ目線で伝えたい!大型荷物の搬入チェックポイントと、有効開口寸法の目安をまとめました。
これを読めば、購入前の「寸法チェック」に自信がつきますよ。
図面の見方から各所の開口サイズまで、わかりやすくお届けします♪

大型荷物を部屋に搬入する際に注意するべきポイント
部屋の内法寸法を知ろう

大きな家具や家電を買う前に、最初にしてほしいのが「部屋の本当のサイズを知ること」です。
間取り図に書いてある寸法って、実は“壁の中心から中心”を測った「壁芯寸法」になっていることが多いんです。
でも実際に家具を置けるスペースは、壁の内側から内側までの“内法寸法(うちのりすんぽう)になります。
この数センチの違いが、通る・通らないを分ける分かれ道…!
というわけで、よくある部屋の内法寸法を図でご紹介しますので、まずは自分のおうちのサイズを確認してみてくださいね♪




“第一関門”はここ!玄関ドアのチェック

大型荷物の搬入、最初に立ちはだかるのが――玄関ドア!
玄関を通れなければ話になりません。
まずはここが通れるかどうか、しっかり確認しておきましょう!
今回は、玄関ドアの代表的なサイズを LIXIL や YKK AP のカタログから抜粋してご紹介します。
(※特注サイズや古いドアは当てはまらない場合もあるので要注意ですよ♪)
もし玄関が難しそうな場合は、掃き出し窓など“第二ルート”も視野に入れて!


“第二関門”は廊下!通れる?曲がれる?
玄関を突破しても、まだ安心はできません。
次にやってくるのは……そう、廊下です!
一般的な住宅の廊下は、壁の中心から中心で910mm(91cm)の設計が多いですが、実際に通れるのはもう少し狭くなります。
壁の厚みや巾木(はばき)、ドア枠の出っ張りなどで数センチ単位で狭くなることも。
また、木造とツーバイフォーでは若干寸法も違うので、ここもプロっぽく注意が必要です◎

さらに長い荷物の場合は、廊下の曲がり角や階段のカーブが鬼門に!
バスが狭い道を曲がれないのと同じで、長物も“くねっ”といかないんです。
斜めに倒しながら進むには、広めの空間+複数人の手助けが必要になることもあるので、そこも含めて事前にチェックしておきましょうね♪
“最終関門”はここ!室内ドアの幅チェック

玄関も廊下もクリア!
でも最後に立ちはだかるのが、各部屋の入り口=室内ドアです。
実はここが家の中で一番狭いポイントだったりします。
つまり、ここを通れるなら、家中ほぼどこにでも運べるってこと!
今回は、住宅建材メーカーのLIXILとPanasonicから、代表的な室内ドアの有効幅を抜粋してご紹介します。
ちなみに表記の寸法は、扉がついた状態での“実際に通れる幅”です。
もしちょっとでも通るか微妙…!ってときは、扉を外すという裏技もありますよ◎
また、「フラット丁番」や「アウトセット引戸」など、特殊なドアタイプでは寸法が違う場合もあるので、注意して見てくださいね。

ということで今回は、
大型家具や大型家電をお迎えする前にチェックしておきたい搬入経路と有効開口寸法についてお話ししました!
大物の買い物ってワクワクするけど、入らなかったらショックすぎますよね…。
せっかくのお気に入り、「入らない」なんてことにならないように、事前確認はマスト!
プロ目線でいえば、“内法寸法”と“開口寸法”をセットで把握しておくのが理想的です♪
しっかり準備して、安心してお買い物を楽しんでくださいね〜!

筆者:ともぴ(一級建築士/インテリアコーディネーター)
「家づくりは、賢く・楽しく・ちょっとあざとく」をモットーに、失敗しない家づくりのヒントをブログで発信中。