住宅会社は教えてくれない?「後悔しない家づくり」のコツ【外構編】

裏ワザ

住宅を建てる際、外構(お庭づくり)は家の印象を大きく左右します。しかし、多くの場合、住宅会社が重点を置くのは建物自体であり、外構に関するアドバイスは十分ではないと感じます。

そこで今回は、「後悔しない家づくり」の一環として、外構に焦点を当ててみたいと思います。住宅会社が教えてくれない、外構の重要性や成功のポイントについてご紹介します。

南向きの大きな窓と駐車スペースが近い

皆さんご承知の通り、車は「鉄の塊」です。暑い日差しを浴び続ける夏は、ヤケドしそうなくらいに熱くなりますよね。そんなあつ~い鉄の塊が、窓のすぐ外にあったらどうでしょうか。

窓は、家の部位の中でも特に熱の流入が大きいところです。外から家の中に伝わる熱の割合は、7割以上が窓からの熱なんです。

ヤケドするほど温まった車の熱は、窓ガラスを簡単に通り抜けて部屋の中まで侵入してきます。これは省エネ効率が悪いですよね。エアコンでガンガンに室内を冷やしても窓から熱波が入ってきちゃうんです。

そもそも、駐車スペースに敷設する「コンクリート」も蓄熱しやすい素材です。大きな窓と駐車スペースとの距離は、できるだけ空けるよう計画できると良いですね。

ただし、駐車スペースの配置は敷地や建物の形状によるところが大きいです。どうしても回避できない場合は、以下の対策を検討してみてください。

窓を高性能にする

Low-Eガラスやトリプルガラスなど、熱が侵入(流出)しにくい窓へ変更しましょう。内窓を設けるというのも1つの手です。

断熱性能の高いカーテンを設ける

裏地に特殊な加工を施した断熱カーテンを採用するのも良いでしょう。断熱性に優れたハニカム構造のブラインドカーテンなんかもありますよー。

すだれやグリーンカーテンを設ける

本来は日差しを遮るためのものですが、熱の侵入にも多少は効果があるでしょう。

外構工事の予算をケチる

とても素敵な家なのに、お庭が貧相な家…たまに見かけませんか?駐車場も家の周りも砕石を敷いて終わり、みたいな家。

そんな家を見ると、私は悲しい気持ちになるのです。

「外構工事は住んでから考えればいいや」と考えちゃう人は少なくありません。その考え自体は正解でも不正解でもありませんが、住み始めてから日が経ってしまうと「外構は手つかずだけど、困ってないからいいや」と、結局お庭に何も手を加えない人(私みたいなズボラな人)が一定数いるんです。やはり、家の工事が終わったらすぐに外構工事をするべきです。

私は、家と外構はセットで考えるべきだと思っています。「こんなお庭にしたいから、家の外観はこんなテイストにする」とか、その逆も然りなのですが、とにかくセットで考えないと意味がないんです。外構まで完成して、初めて「家」として完成するのです。

私は、家に愛着を持ってもらいたいと思っています。愛着が強ければ家を大切に扱うでしょうから、メンテナンスもしっかりとするでしょうし、なにより家に帰ってくることが楽しみになるなど、メリットが多くあるからです。

そして、愛着を持つために「見た目」はかなり重要な要素になります。しっかりとコンセプトを持って外構工事を行えば、家単体で見るよりも断然素晴らしいものになります。敷地全体で家をコーディネートすることがとっても重要なんですよね。

外構工事は家づくりの一部と捉え、家の間取りを考えるのと同じように、家づくり初期の段階からしっかりと計画しましょう。そして、しっかりと予算を確保しましょう。

境界ギリギリの建物配置

建物を敷地いっぱいに配置して土地を有効活用!…これはおすすめしません。

隣地境界線から建物までの距離(離隔距離)は、できれば1mは離したいですね。なぜかと言うと、以下のような利点があるからです。

メンテナンス性

屋根や外壁の塗り替え等のメンテナンス時には「足場」を設置することが多いですが、足場設置にはある程度の幅が必要です。足場の幅は60cm程度が一般的で、建物から30cm程度離して設置します。つまり、60+30で90cmほどあれば適切な作業空間が作れるんです。

エアコン工事程度なら足場ではなく脚立で作業しますが、その際も脚立が立てられるだけの幅が必要ですね。むしろ、脚立は高ければ高いほど勾配を付ける必要があるため、必要な幅は大きくなる傾向にあります。

足場も脚立も、お隣の敷地にはみ出して良ければ工事可能なこともありますが、気軽にお隣の土地を借りられるわけではありませんよね。「ご近所さんに迷惑をかけたくない…!」とお考えのあなたは特に気を付けましょう。

プライバシー確保

「お隣の家の窓と自分の家の窓が同じ位置になってしまった。」という失敗談はよく耳にします。(設計者の技量の問題でもありますが…)

離隔がある程度あればそこまで気にならないかもしれませんが、家同士が近い場合はかなり気になるでしょう。カーテン閉めっぱなし状態になること間違いなしです。

採光、通風

離隔が大きければ採光や通風に有利です。なお、上にも書いたように家と家が近すぎるとそもそも窓を開けないとか、カーテンやシャッターを閉めっぱなしにするなど、採光も通風もあったものではありません。何のために窓を設けたのか分からなくなってしまうのは勿体ないですよね。

芝生は刈りやすいように

芝生のメンテナンスは「芝刈り」が基本です。

芝刈り機には様々な種類がありますが、どの芝刈り機も建物などとの境目は刃が入り難くうまく刈れません。芝刈り機の刃が入らない部分は「芝用ハサミ」などで地道にチョキチョキするのが一般的ですが、これが結構キツイんですよね。握力がイッちゃいます。一部分だけならそこまで手間ではありませんが、広範囲だとかなり大変です。

芝生は、レンガ一個分で良いので建物などから少し間をあけて敷くようにしましょう。ブロックなどで芝生が囲まれている場合は水捌けを良くする効果も期待できますよ。

生き生きとした芝生が敷かれている庭はとっても素敵に見えます。維持管理をしやすくするためのちょっとした工夫として、芝生と建物の境目は少し離すことをお勧めします。

今回は、後悔しない家づくり【外構編】を紹介しました。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

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