住宅会社は教えてくれない?「後悔しない家づくり」のコツ【落とし穴編】

裏ワザ

住宅を建てる際、注意が必要なポイントはたくさんありますが、その全てのポイントを住宅会社と共有できるではありません。家を建てた後に「あのとき教えてくれればよかったのに…」と住宅会社に思うことって結構あるんです。

今回はその中でも、一見すると見落としてしまいがちな「落とし穴」について紹介したいと思います。これを見過ごすと将来的に致命傷になるものもありますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

耐久性の低い屋根には太陽光は載せないで!

個人的な見解ですが、太陽光発電システムは「採用してもそこまで得はないが、採用しないのは明らかに損」だと思っています。(※あくまでも“新築時”に限っての話です。)

ただ、グレードの低い化粧スレートなどの「耐久性能が良くない屋根」に載せることだけはおすすめしません。

グレードの低い屋根材が悪い訳ではありません。太陽光との「相性が悪い」という話です。

グレードの低い化粧スレートは「イニシャルコストは安いがランニングコストは高い」という特徴があります。導入コストは抑えられますが、その分メンテナンス費用が掛かる商品ということですね。それを理解したうえで採用するのであれば別に悪い選択では無いと思います。

ただし、太陽光を載せるとなったら話は別です。メンテナンスが必要な屋根なのですから、メンテナンスしやすい環境にしておかなければなりません。

そう、「屋根の上に何かを載せる」なんてことはしちゃいけないんです。

太陽光を載せてしまったら、その部分はどうやってメンテナンスするのでしょう。約10年間隔でメンテナンスが必要です。その度に太陽光を外すんでしょうか?

「太陽光が載っている部分は紫外線も直接当たらないし、他の部分より劣化は遅いから大丈夫じゃない?」と言う人もいます。確かにその可能性は十分に考えられます。ただし仮にそうだとしても、それを「確認する術がない」ということが問題なのです

メンテナンスの基本は、「現状の把握→対応方法の検討→コスパの比較→然るべき対策」です。第一段階の「現状の把握」ができない状態では、効果的なメンテナンスは出来ないんです。

フェイクグリーンを嫌わないで!

家の中に植物があると、それだけで部屋が華やかになりますよね。適度に緑がある空間は、心理的に良い効果があることが科学的に証明されていたりもします(緑視率という指標があるそうで、その値が高まるとリラックス効果が得られるという研究結果が出ているんですって)。

ホンモノの植物を取り入れることがもちろん望ましいですが、個人的には、室内はフェイク(造花などのニセモノ)でも良いと思っています。水やり不要、虫が湧かない、日当たりも考えなくていい、メリットだらけじゃないですか?

ペットがいる家には特に最適です。本物の植物の場合、お猫さまが葉っぱを食べてしまったり、ワンちゃんが土を掘り返して遊んだりと心配事が尽きませんが、フェイクなら安心です。

また、冒頭で紹介した心理的効能は、フェイクグリーンでも同様の効果があるそうです。ホンモノの植物じゃなくても良いなんて不思議ですよねー。

最近は、本物と見間違うほどリアルなものが登場していますし、百円均一にも小さくて可愛いフェイクグリーンがたくさん売っていますよ。お部屋のインテリア性向上のためにぜひ気軽に採用してみてください。

ちなみに、屋外用のフェイクグリーンも素晴らしく精巧な人工芝などが登場していますが、こちらは個人的にはあまりいい印象はありません。なんだか、某国が地面に緑のペンキを塗って「緑化しました!」って言っているのと似ている気がするんですよねー。屋外にはやっぱり本物の植栽が良いんじゃないでしょうか。

収納の奥行と幅を確認して!

これは、意外と見落としがちなワナですね。

例えば幅・奥行ともに80cm程度のクローゼットがあったとしましょう。尺で言うと3尺✕3尺の空間です。まあ、よくある収納です。

実は、このくらいの大きさの収納空間が一番もったいないんです。

この収納の前に立ったあなたの第一印象は、おそらく「案外奥行があるなあ」だと思います。幅は狭いので大きなものをしまう想定はしておらず、日用品のストックや書籍、食器などの小物を格納することを考えていたでしょう。ただ、小物を収納するだけだと手前ががっぽり空いてしまうんですね。奥行き方法のスペースが有効的に使えないんです。

住宅会社の担当者は「手前が空きますので、そこは掃除機などを置くスペースとして活用しましょう」などと説明してくると思いますが、手前に何かを置いたらその奥が使いづらくなることは子供でも分かるでしょう。奥行の無い棚を両脇に置いてみようとしても、幅が無いのでそれも難しいんですよね。奥行のある衣装ケースを置いたらどうでしょう。それもダメかもしれません。収納扉の枠が邪魔して引出しが引っかかる可能性が高いです。

このように、案外使いづらい、もったいない収納空間なんです。

固定式の家具は不要かも!

出典:Panasonic

いわゆる「造り付けの家具」です。

よく目にするのが、キッチン前やダイニング、書斎などに造り付けられた「カウンターテーブル」ですね。使い勝手は良いのかもしれません。完成時に付いていれば便利でしょう。

しかし、将来的に「やっぱりこのカウンターいらね」となっても、容易には取り外せません。たいていは、ある程度の重量に耐えられるように壁に埋め込んで施工されるはずです。つまり、可変性に乏しいんですよね。

そして、決して安くないんですよ。カウンターを設置する費用を見積書で確認してみてください。たぶん一般的な机がフツーに買えるくらい(何ならあり余るくらい)の金額が計上されているはずです。

もちろん、用途が明確に決まっていて「この固定式家具を作ってもらわなきゃ困る!」という場合は採用しましょう。「住宅会社が提案してくれたし、イイ感じじゃん」ぐらいの、なんとなくで採用しようとしている方は、本当に必要かどうかをもう一度考えてみてくださいね。

シンプルな手すりは危険!

階段や吹き抜けの手すりをブラックのアイアンでオシャレに決める。流行りだしカッコいいんですが、シンプルに危ないです。例えば笠木と横に数本のワイヤーだけのものなんかがありますが、転落防止の観点から見ると最悪の部類ですね。

一般的には、こどもの頭が入らない位の間隔(すき間が11cm以下)で縦残があれば大丈夫でしょう。横桟だと足をかけて登ってしまう可能性があるためおすすめしません。

天吊り収納はホコリがたまる!

出典:Panasonic

流行りの天吊り収納。ペンダント照明もそうですが、天井から吊り下がっているものはホコリがたまりやすいというデメリットがあります。ただ、ホコリがたまるだけなら掃除すれば良いだけの話なので、そこまでの減点対象ではありません。天吊り収納の場合、ホコリがたまりやすいくせに掃除しにくいんです。これは大きな減点対象です。

また、位置出しが難しく、設置する場所を失敗する可能性があるという難点もあります。他の場所に付け直すことも難しい類のものです。取り付けるための下地が必要ですし、モノによっては躯体からボルトを出しておくタイプのものもあります。

家づくりにおいては、細部にまで注意が必要です。

耐久性や使い勝手を考慮し、後悔のない家づくりを実現するために、今回紹介した「落とし穴」に注意して、慎重に計画してくださいね。

タイトルとURLをコピーしました