リーマンショックから学ぶ!失敗しない住宅会社選びの7つの秘訣

リーマンショックから学ぶ 裏ワザ

家づくりを考えているときに「リーマンショック」という言葉を思い出す人はあまりいないかもしれません。でも実は、あの世界的な金融危機のきっかけは「住宅ローン」でした。

2008年に起きたリーマンショックは、単なる金融機関の問題ではなく、「住宅価格は下がらない」という思い込みから始まった大事件。
つまり、私たちが家づくりをするときにも直結する“教訓”が詰まっているんです。

この記事では、まずリーマンショックを住宅バブルの視点からわかりやすく解説し、その後に「家づくりで気をつけたい住宅会社の見分け方」についてお話しします。

リーマンショックとは

証券市場の様子

2008年9月、アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻しました。負債総額は約6000億ドル、日本円にして64兆円。アメリカ史上最大規模の破綻であり、その衝撃は瞬く間に世界中の金融システムへと波及しました。これが、いわゆる「リーマンショック」です。

なぜこれほど大きな危機に発展したのでしょうか。その背景には「住宅バブル」と「サブプライムローン」の存在がありました。

2000年代のアメリカでは住宅価格が年々値上がりを続け、「家の値段は下がらない」という楽観論が広がっていました。金融機関は、たとえ借り手がローンを返せなくても「最悪は担保の家を売れば元が取れる」と考え、信用力の低い低所得者層にもどんどん住宅ローンを貸し出しました。これが「サブプライムローン」と呼ばれるものです。

さらに銀行は、それらローン債権をまとめて証券化し、世界中の投資家に販売しました。複雑に仕組まれた証券はリスクが見えにくく、格付け会社から高い評価が付いたことで、「安全かつ高利回りな商品」と誤解され、世界に拡散していきました。

株式市場の暴落

しかし2007年頃から住宅価格は下落に転じます。「最悪は家を売ればいい」という前提が崩れると、低所得者層はローンを返せなくなり、次々と債務不履行に。証券化された商品も一気に価値を失い、どの金融機関がどれだけ危険な資産を抱えているのか分からない状態になりました。信用不安が広がり、金融市場は大混乱。結果として世界経済全体を巻き込む危機へと発展しました。

要するにリーマンショックとは、「住宅価格は下がらない」という思い込み(神話)が崩れた瞬間、複雑な仕組みを通じて世界中に危機が波及した出来事だったのです。

家づくりに活かせる教訓

このリーマンショックから学べることは、私たちの家づくりにも直結します。

  • 「不動産は必ず値上がりする」とは限らない
  • 「借りられる額」と「返せる額」は違う
  • 外部要因(価格や制度、景気)に依存すると危うい
  • 複雑さではなく“本質”を見極めることが大切

要注意!こんな住宅会社は危険かも

担当者を懐疑的に見る女性

もしあなたが家づくりを考えているなら、次のような住宅会社には注意が必要です。リーマンショックと同じように「思い込み」や「外部要因」に頼っている会社は、あなたの暮らしを危うくするかもしれません。

①「地価は下がらない」「新築が必ず有利」といった“神話”を信じさせる会社

リーマンショックが証明したように、不動産価格は必ずしも上がり続けるわけではありません。根拠のない思い込みを前提にした提案は要注意です。

②「返せる額」ではなく「借りられる額」でプランを勧める営業

銀行が貸してくれる金額と、実際に生活を続けながら返せる金額は別物です。無理のない返済計画を一緒に考えてくれない営業は避けましょう。

③資金計画を“住宅ローンだけ”で考える営業

家計は住宅ローンだけで成り立つものではありません。教育費や老後資金とのバランスを見ない営業は、長期的にあなたを苦しめる可能性があります。

④「長期的に安心して住めるか」という軸を持たない会社

住宅は“建てること”がゴールではなく、“住み続けられること”が目的。短期的な売りやすさだけで提案する会社は信頼できません。

⑤性能やランニングコストを曖昧にする会社

断熱性能やメンテナンス費用など、暮らしのランニングコストを丁寧に説明しない会社は注意が必要です。複雑な説明で煙に巻くのも黄色信号です。

⑥景気変動に弱い経営をしている会社

土地仕入れに無理をしていたり、過剰な借入を抱えている会社は、不況になると一気に経営が傾くリスクがあります。長期的に安心して任せられるかを確認しましょう。

⑦新築一本槍で、リフォームやストック事業を持たない会社

新築市場だけに依存する会社は、市場が冷え込んだときに弱いです。安定収益源を複数持っている会社の方が、将来的に安心です。

まとめ

家づくりの打ち合わせ風景

リーマンショックは、「住宅価格は下がらない」という神話への過信が壊れたときに起きた世界規模の経済危機でした。
家づくりでも同じで、外部要因や思い込みに依存する住宅会社に任せてしまうと、将来的に大きなリスクを抱えることになりかねません。

大切なのは、外的条件がなくても納得できる住まいづくり。
そして、生活全体を見渡し、長く安心して暮らせる提案をしてくれる住宅会社を選ぶことです。

100年に一度の危機から学び、あなたの家づくりを後悔のないものにしてくださいね。

筆者:ともぴ(一級建築士/インテリアコーディネーター)
「家づくりは、賢く・楽しく・ちょっとあざとく」をモットーに、失敗しない家づくりのヒントをブログで発信中。

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