家を建てたときは新築だった我が家も、あっという間に築10年。
この「10年」という節目は、家にとってとても重要な意味を持ちます。なぜなら、住宅瑕疵担保履行法による保証期間が満了するタイミングだからです。
今回は、築10年を迎える前に必ずやっておきたいことを、分かりやすいチェックリスト形式で解説します。
なぜ築10年の前に点検・対応が必要なの?

住宅会社(売主や施工業者)には、引き渡しから10年間、構造耐力上主要な部分(基礎・柱・梁など)と、雨水の侵入を防止する部分(屋根・外壁など)について瑕疵(欠陥)があった場合の保証責任が課せられています。これが「住宅瑕疵担保責任」です。
10年を過ぎると、基本的には無償補修を求める権利が消滅してしまいます。だからこそ、保証が切れる前に状態を確認し、必要なら保証期間内に補修依頼をすることが重要なのです。
【チェックリスト】10年を迎える前にやるべき5つのこと

✅ 1. 雨漏りの有無をチェック
室内天井や壁に、雨染み・カビ跡がないか?
屋根裏(小屋裏)も要チェック!
雨の日に点検すると分かりやすいかも!
✅ 2. 外壁、屋根の状態をチェック
外壁に目立つひび割れや浮き・剥がれはないか?
コーキング(目地材)の劣化や割れも確認!
屋根材に割れ、ズレ、剥がれがないか?
外壁や屋根にクラックや劣化の症状があっても、それだけでは無償修理の対象にならない場合があります。住宅瑕疵担保責任による保証は、「構造耐力上主要な部分」または「雨水の侵入を防止する部分」が対象。たとえば、クラックが原因で雨漏りが発生していれば無償補修の対象になる可能性が高いですが、単なる表面の劣化や見た目だけのひび割れは、対象外となることがほとんどです。
✅ 3. 基礎のひび割れをチェック
基礎コンクリートに大きな亀裂や崩れがないか?
幅0.3mm以上のクラックがある場合は注意!
床下に潜って確認できると一番いいです!(大変ですが)
✅ 4. 建具やサッシの不具合をチェック
ドアや窓の開閉がスムーズか?
ガタつき、異音などがないか?
建具やサッシの不具合(開閉しづらい、ガタつく、異音がするなど)も、必ずしも住宅瑕疵担保責任による無償修理の対象とは限りません。単なる経年劣化や調整不良である場合は、構造躯体の欠陥とは認められません。
✅ 5. 延長保証の条件をチェック
契約時に、延長保証サービスが付帯しているか確認!
保証延長には「有料点検」や「必要なメンテナンス(シーリング打ち替え、防水工事など)」の実施が条件になっていることが多い。
保証延長に必要な作業や、申請期限を事前に把握しておくこと!
もし不具合を発見したら?

保証期間内に発見し、建築会社や保証会社に正式に申し出ることが大切です。
担当者だけに言うのではなく、会社のお客様窓口に問い合わせた方が良いでしょう。
ポイントは
・保証期間内に不具合の連絡をすること(修理完了が10年超でも基本的にOKです)
・写真などで証拠を残しておくこと
慌てず、でも速やかに動きましょう。
まとめ:10年目の点検は、未来の安心につながる!

築10年は「ただの通過点」ではありません。
今後20年、30年と安心して暮らしていくためにも、保証が効くうちに不具合を洗い出し、対応してもらうことがとても重要です。
築10年を迎える前に、家の健康診断をすることで、
- 無償補修のチャンスを逃さない
- 小さな不具合を早期発見・早期対応できる
- さらに延長保証を受けて安心して暮らせる
という大きなメリットがあります。
自分でチェックできる範囲はセルフ点検しつつ、専門家による有料点検(インスペクション)を受けるのもおすすめです。大切なマイホームを末永く守るために、10年点検をしっかり活用しましょう!
この記事のチェックリストを参考に、ぜひお家の点検をしてみてくださいね!