生活動線に関することって、住宅会社に相談しても重要なポイントを教えてもらえなかったり、アドバイスがズレていたりすることってありますよね。
後悔しない家づくりには、生活動線を考慮することが不可欠です。しかし、設計者の優先順位や様々な制約から、この点が見過ごされることも少なくありません。
そこで、この記事では家づくりのコツ「生活動線編」として、特に気を付けたい生活動線や部屋の配置について紹介したいと思います。
後悔しない家づくりの秘訣を生活動線の視点から探ってみましょう。
トイレの位置
玄関のすぐそばにトイレがある家、多いですよね。特に建売住宅の間取りで多いイメージがあります。
でも、家族に来客があり玄関で立ち話をしているときに、その脇を通ってトイレに行くことはなかなかできませんから、使い勝手が良いとは言えませんよね。トイレが自由に使えないって結構なストレスです。
「それが分かってるなら玄関とトイレを離して設計しろよ」と思いますよね。たしかに仰るとおりなのですが、設計者の気持ちもすごく分かるんです。家の間取りを考えるときって、優先順位を付けて設計するんですよね。できるだけ要望に沿ったものを、できるだけ無駄のないように考えるんです。
で、トイレの位置って、優先順位が低いんです汗。
建売住宅なんて顕著ですよ。「トイレなんてあれば文句は言われないでしょ」と考えている設計者がいても私は不思議に思いません。建売なんてそんなもんです。
トイレの位置は、使用する時間帯や生活スタイルを考慮して決めてくださいね。
玄関から冷蔵庫までの距離
分譲マンションのような間取りを考えていませんか?
北面に玄関があって、リビングに向かう道中にいくつかの部屋と水回りがあって、その奥にリビングがあって、その脇にキッチンがある。
そう、玄関から冷蔵庫までが遠いんです。
玄関から冷蔵庫までの距離は、生活のしやすさに直結します。スーパーでまとめ買いした重たい買い物カゴを、玄関からキッチンまで運ぶのは決して楽な作業ではありませんよね。買い出しが週に一回だけだとしても、年に50回以上繰り返すことになるんです。
せっかく一戸建てを建てるなら、マンションのような間取りではなく、生活動線に配慮した住みやすい家を建てませんか?使用頻度の高い生活動線に気を使うことができれば、とっても住みやすい家になりますよ。
ちなみに、駐車場から玄関までの動線も短いほうが絶対的に便利です。敷地の形状にもよりますので無理な場合も多々あるでしょうが、実際の生活を想像して、より良い住まいに近づけてくださいね。
洗濯家事の動線
これも玄関から冷蔵庫までの距離と同じで、使用頻度の高い生活動線ですね。洗濯機を回して、干して、取り込んで、しまう。毎日行う家事動線にはしっかりと気を使いましょう。
特に、洗濯機から物干し場までの動線が重要です。濡れた洗濯物は重いですからね。バルコニーで干すのか、室内干しメインなのか、はたまた乾燥機を使うのかなど、自身の生活スタイルを現実的な目線で事前に想像してみると、後悔のない家づくりができると思いますよ。
そろそろ自動で洗濯物をたたんでくれるロボット発売されないかな~
キッチン横のダイニングテーブル
出典:クリナップ
最近良く見るダイニングの形ですね。キッチンの前ではなくて、キッチンの横にダイニングテーブルを配するレイアウトです。
この配置自体は個人的には良いと思っています。キッチンと一体感を出してスッキリと見せられるからです。キッチンがダイニングから丸見えになってしまうことをデメリットに感じる方もいると思いますが、逆に、丸見えなので片付ける習慣がつき、キッチン周りをキレイに保つクセが付くんじゃないでしょうか。
ただし、動線がちょっと嫌いです。
間取りにもよりますが、キッチンから他の部屋へのアクセスが遠くなるケースが多いからです。ダイニングテーブルの分だけ遠回りをするイメージですね。
ダイニングテーブルはキッチンにくっつけるのではなくて、キッチンとの間に人が通れるくらいのスペースを空けておくほうが動線的に優秀です。
ただ、この配置は「好みじゃない」「見た目が嫌い」という方もいるでしょう。そんな方は自分の好みを重視すれば良いと思います。動線が長くなると言っても、すごく不便になるというわけではありませんので。
「テーブルの配置は後から変えられるし、とりあえず住んでから考えよう」という方は、照明計画にだけは気を付けましょう。ダイニングにはテーブル上に可愛いペンダントライトを採用する方が多いと思います。数灯並べて吊るすだけでオシャレな雰囲気が簡単に作れますからね。このペンダントですが、天井直付けの器具を選んでしまうと、後から照明の位置を変えることが容易ではなくなります。「テーブルを動かしたらペンダントライトがテーブルからずれてカッコ悪くなってしまった」とならないように、ダクトレールなどを採用して後から位置が変えられるようにしておくと便利ですよ。
家づくりにおいて、生活動線を考慮することは快適な暮らしを実現するために欠かせません。本記事で紹介したように、玄関からトイレ、キッチン、洗濯場までの動線や配置によって、日常のストレスが軽減されるかどうかが決まります。
ぜひ、この記事を参考にして、後悔のない理想の住まいを実現しましょう。