基礎工事のチェック項目|技術的検査よりも有効な5つのポイント

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基礎は、家を支えるとても大切な部分です。

着工し、基礎工事が始まると「ちゃんと工事は進んでいるかな」とか「欠陥住宅にならないかな」とか、いろいろ心配になってしまうものですよね。

家のことを勉強して、自分の家の工事を隅々までチェックしたいと思う人もいるかもしれません。しかし、個人的には自分で工事をチェックすることはあまりおすすめしません

現場の職人さん目線で見ると、お施主さんの監視下という環境では、変に力が入ってしまい思わぬミスをするかもしれません。職人さんが気を使わなくてすむような、いつも通りの環境を作ってあげた方が作業効率も上がりますし、むしろ良い家ができるでしょう。

ただ、すべておまかせでまったく現場に行かないのもNGです。

たまには顔を出して「お疲れ様です」「暑い中ありがとうございます」くらいのコミュニケーションをとる、これが一番アザトイ選択だと思います。人間って案外単純な生き物です。感謝の気持ちを伝えれば、この人のためにしっかり仕事をしようと思うものですよ。

ということで、このブログでは「技術的なことを自らチェックすることはやめて、根本的なことや会社の体制的な部分をチェックする」ことをおすすめしたいと思います。

基礎工事のアザトクチェックする方法

「第三者機関の基礎検査はありますか?」と聞いてみよう

第三者が公平な目で工事を見てくれたらそれだけで安心ですよね。

実は、最近は“基礎の配筋検査”は第三者機関が行うのが一般的です。住宅瑕疵担保履行法により「住宅瑕疵保険」に加入する住宅会社が大半なので、その保険の加入要件である基礎配筋検査が保険法人により行われます。(瑕疵担保履行法の資力確保措置を「保険」ではなく「供託」で行っている会社は別ですが)

つまり、第三者機関による基礎の配筋検査は、今や「やって当然の検査」というわけです。

住宅会社の返答が「もちろん、保険法人の配筋検査がありますよ」とか、「うちは供託なので保険のための検査は無いけど、それと同等の第三者機関の検査をやっていますよ」であれば、大きな心配はないでしょう。

「社内の厳しい検査があるので、第三者機関の検査は行いません」という返答だとしたら「住宅瑕疵保険に加入しないのですか?」と聞いて、第三者機関の配筋検査を希望したいと伝えましょう。保険法人は保険に関係なく検査だけでもやってくれますし(有料ですが)、そういった検査をしてくれる第三者機関は他にも探せばいっぱいあります。

普通の住宅会社なら「良いですよ。当社で手配もできますし、お客様の手配でも対応できますがどうされますか?」みたいな反応だと思います。

「第三者機関の検査には対応できません」という対応だった場合は、身の振り方を考えましょう。“やって当然”の検査を拒否する会社はロクな会社じゃないでしょう。

注意点

保険法人の配筋検査を過信してはいけません。検査員にも当たりハズレがあります。検査の信頼性は検査員の質により変わりますので、絶対大丈夫とは言えないことを覚えておきましょう。

ユンボ運転手のヘルメット着用状況を見よう

地面を掘る小型のショベルカーを通称「ユンボ」と言います。このユンボですが、(当たり前ですが)運転者はヘルメット着用の義務があります。

たまに居るんですよね、かぶっていない職人が。

他業種の方から見ると、コンプライアンスが重要視されているこの時代にまだいるんだとビックリされるかもしれませんが、住宅業界ではまだそういった輩を根絶できていません。ここ十数年でかなり改善されているとは思いますけどね。

ヘルメット未装着でユンボに乗る職人がいたら、その会社はロクな会社ではありません。

コンクリート打設時の天気を確認しよう

コンクリートを打つ日を住宅会社に確認しましょう。天気によってコンクリート打設後の注意点が変わってくるからです。

大雨の場合   そもそも打設はNGです。コンクリートの水分バランスが崩れます。   
小雨の場合問題ありません。夏場はむしろ歓迎です。
コンクリートの急激な乾燥を防いでくれます。
曇りの場合問題ありません。最高です。
晴れの場合夏場は急激な乾燥に気を付けましょう。
コンクリートの表面が急激に乾くとクラックの原因になります。
打設後にシートなどで養生されているか確認しましょう。

なお、打設の数時間後に大雨が降った場合は気にしなくても大丈夫です。コンクリートは乾燥によって固まるのではなく、化学反応によって固まります。

チョット専門的な質問をしてみよう

お客さんに専門的な質問をされると、住宅会社は「ドキッ」とします。

住宅会社をドキドキさせちゃいましょう。「吊り橋効果」であなたのことを好きになってくれること間違いなしです笑

おすすめの質問①「立ち上がりのかぶり厚って何ミリでしたっけ?」

かぶり厚とは、コンクリート表面から鉄筋までの距離のことです。基礎の立ち上がり部分は40mm以上、地面との距離は60mm以上など、各部位で決められています。

かぶり厚は基礎工事において最重要と言えるほど大切なチェックポイントです。

おすすめの質問②「鉄筋が錆びているのですが大丈夫ですか?」

「サビは劣化」というイメージが強いので、鉄筋は錆びてはいけないと思っている方がほとんどではないでしょうか。確かに、サビが内部まで浸食している鉄筋は使い物になりません。

しかし鉄筋の強度は、新品よりも表面が少し錆びている方が高いと言われています。サビはコンクリートと絡みやすいので、サビが全くない新品の鉄筋よりも強い基礎が作れるというわけですね。

このような返答を住宅会社がしてくれれば心配ありません。

おすすめの質問③「コンクリートの呼び強度を教えてください。」

これはちょっと専門的すぎるかもしれませんが、ドキッとさせるためには良い質問です。

呼び強度とは、生コンを発注する時に指定する強度のことです。基礎図面に「Fc24」などと書かれているものが設計基準強度と呼ばれる値で、呼び強度は設計基準強度よりも大きい値とします。細かい説明は省きますが、例えば設計基準強度がFc24の場合は、呼び強度は+3の27N/mm2(もしくはそれ以上)となります。

以上の3つの質問を投げかけてみましょう。

住宅会社には、この程度の質問には秒で答えてほしいものです。

そして、これであなたは無事に「変に知識を持った面倒くさい客」と認定され、その住宅会社の中で注目を集めることでしょう。その立ち位置が一番アザトイと思います。

夕方に道路の状況をチェックしよう

基礎工事は土を掘りおこす工程がありますので、どうしても土の汚れなどが道路に残ってしまうものです。普通は、その日の工事が終わる前にその道路を清掃します。泥汚れを水で流したり、道路に飛んでしまった石などをほうきで掃いたり、「来た時よりも美しく」の精神でしっかりとキレイにします。

道路はみんなのものです。汚した人が掃除するのは当たり前ですよね。このような、当たり前の事がしっかりできているかをチェックしましょう。

もし道路が汚いままだったら、住宅会社に電凸するのではなく、あなたが掃除しましょう。そして「道路が汚かったので掃除しました。By施主」などと書いた張り紙を現場に張っておきましょう。次の日それを見た作業員はきっとドキドキしてくれるでしょう。

今回は、基礎工事においてのチェック項目を解説しました。

大切なのは、「技術的なことはプロに任せるけど、素人なりにいろいろ見ていますよ」と住宅会社に知らしめることです。「信頼はしているけど、信用はしてないよ」みたいな感じですね。

今回の記事をぜひ参考にしていただき、アザトく家づくりを楽しみましょう。

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