新築コストは抑えたいけど、家づくりに妥協はしたくない…。
皆さん、こんなお悩みをお抱えではないでしょうか。家づくりは、こだわりが強いほど費用がかさんでしまうものです。
でも大丈夫。家づくりには工程ごとに費用を抑える「コツ」があるんです。
今回は、家づくりの最初の工程である「プランニング」におけるコスト削減のコツをお教えします。
コツを習得して、アザトク賢く家を建てましょう。
新築時のコスト削減のコツ|プランニング編
凹凸を作らない
敷地形状によるかもしれませんが、家は平面的、立体的双方から見て凹凸の少ないプランにしましょう。
シンプルなプランが良いということですね。理想は矩形にすることです。
凹凸のあるプランと矩形のプランとでは、外壁の面積などがかなり変わってきます。工事費は基本的に㎡単価ですので、㎡数を抑えることを意識しましょう。
なに?
シンプルな家はのっぺりして可愛くないからイヤですか?
大丈夫です。家単体で見るとそう見えてしまいますが、窓の位置や大きさを工夫したり、家の前にシンボルツリーや門柱などを設けたりすることで可愛く見せることができますよ。
建物だけでなく外構工事もしっかりと事前にプランニングすることが、アザトカワイく家を建てるコツなのです。
直下率や耐力壁のバランスを考える
これはちょっと専門的な話ですが、コスト削減に寄与するものですので紹介します。
「直下率」とは、柱や壁の位置が上下階でそろっている割合のことを言います。
「耐力壁」とは、水平方向の外力から建物を支えるための壁で、基本的には幅91cm以上の床~天井までの壁のことを言います。
柱や壁が上下階でそろっていると、力が素直に伝達されます。
また耐力壁がバランスよく配置されていると、剛性が高くなりやすいです。
それらを考慮してプランニングすれば、構造的に無理が無く、大掛かりな部材(大きい梁や高耐力面材、高価な接合金物など)を必要としないプランができます。
木材にも一般流通規格がありますので、その規格内で材料が揃えば安くできるということです。
バランスを無視して構造的に無理のあるプランにしてしまうと、それ相応の高い材料を使うことになるんですね。
水周りは“ひとまとまり”にする
敷地形状にもよりますが、お風呂やトイレ、キッチンなどの水周りは、平面的にも立面的にも“ひとまとまり”としてプランニングした方がコストを抑えやすいです。
なぜかというと、給排水の配管の長さを短くできる可能性が高いからです。
ただ、水周りの配置はその家の利便性と直結します。
「玄関に専用の手洗いが欲しい」とか「寝室にパウダーコーナーが欲しい」など、みなさんそれぞれに憧れの住まい方があることと思います。
それらを犠牲にしてまでおすすめする事ではありません。
軒の出は適度な寸法で
外壁から突き出た“屋根の軒先部分の長さ”を軒の出と言います。
軒の出が大きくなればなるほど、当たり前ですがその分屋根面積が増えますのでコスト増となります。
それだけでなく、軒の出が大きいと通常よりもたわみなどに配慮する必要が出てきます。
それに耐えられるように垂木のピッチを細かくしたり、垂木の高さを大きくしたりするのですが、それもまた金額が上がる原因になります。
軒の出は、600mm程度までの一般的な寸法に抑えましょう。
ちなみに、大きな軒の出には夏の暑い日差しを遮ったり、雨が外壁に降り掛かるのを抑えたりするなどの多くのメリットがあります。
自分が何を重要視するかをしっかりと検討することが大事ですね。
そのドア、本当に必要ですか?
建具とは、部屋と部屋を仕切る扉やドア、引戸などのことです。
建具は安いものでも一本数万円します。結構高いですよね。
建具を減らすことができればコスト削減になります。しかし、そんな簡単に減らせるでしょうか?
例えば、寝室内にあるウォークインクローゼットに扉が付いている場合、本当に必要ですか?
寝室はプライベートな空間です。その寝室からクローゼットの中が見えたって良いんじゃないでしょうか。
極端ですが、すべての収納に扉は不要という考えの人もいます。建具ではなくロールスクリーンなどで代用もできますしね。
考え方は人それぞれですので、自分の生活を想像し使い勝手を考慮して、不要そうなら無くしても全然いいと思いますよ。
なお、居室の建具を無くした場合、空調の効きが悪くなったり、プライバシーの確保が難しくなるなどのデメリットもあります。
そこが気になるようでしたら、プライベート空間はしっかりと確保し、それ以外の建具で「いる・いらない」を今一度検討してみてはいかがでしょうか。
外壁の出隅は少なく
外壁の角を「出隅」と言います。
最近は外壁をサイディング張りにする家が圧倒的に多いですが、サイディングの出隅材は実は結構高いんです。
家の形状を出来るだけシンプルにすることで出隅は減らせます。
外観のアクセントとして少し壁を出っ張らせる(フカシ壁と言います)ことも多いと思いますが、これも出隅を増やす原因です。
道路側の「家の顔」となる面にフカシ壁を設けるのは良いと思いますが、それ以外の目立たない面に設けるのは控えても良いでしょう。
平屋は割高になる
住宅の工事費で大きなウエイトを占めるのは「基礎工事」や「外装工事」です。
平屋の場合、2階建てと比べて「基礎」や、外装工事である「屋根」の施工面積が大きくなるため、同じ床面積の場合に割高になることが多いです。
また、平面プラン的に部屋を横に並べていくことになるため、廊下が長くなりがちなのも平屋の特徴です。
そうすると、廊下が長くなった分の床面積が増えますので、建築費用も増していくということになります。
「平屋は贅沢」と言われることがありますが、こういった理由もあるからですね。
平屋特有の良さもたくさんあるのは事実です。
単にコストダウンしたいからという理由だけで平屋を諦めるのはお勧めしません。
今回は新築費用節約のコツ「プランニング編」としてまとめてみました。
自分の中の優先順位をしっかりと決めて、必要なものと不要なものの取捨選択がアザトクできると良いですね。